ライフ・フロム・ゼロ

視線を冷蔵庫に向けたまま立ち上がると、
膝ががくがくしていた。


なんだっけこう言うの。
そうだよ、膝が笑うっていうんだ。
大爆笑してる、私の膝。


冷蔵庫の前に座り込むと、
ニ週間に一本の贅沢、
生ビールのロング缶を一本取り出し、開けた。

間髪入れず喉に注ぎ込む。
一気に半分ほど減ってしまった。
一度息をついて、また口をつける。

そうして、
いつもなら時間をかけて飲む
ロング缶の生ビールを
ほぼ一気で身体に流しこむと、
缶を脇に置いたまままた冷蔵庫のドアに手をかける。

もう一本同じものを取り出して開ける。
ぷし、といい音がした。


2口飲んだ時点で、
酔いが回り始めていることに気づいた。
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