ライフ・フロム・ゼロ

「あー、今回もあかんかったか」

「そうみたいですね…」

「まぁ、そう上手くいかんわな!
 じゃあ姉さん、これ10組ちょうだい」

おじいさんが売り場の壁に貼ってあった
宝くじのポスターを指さして、
売り子さんはそれをおじいさんに売った。


なるほど、おそらくあの機械は
当選確認用のものなんだろう。


あれに通してもらえば、わかるのか。


おじいさんが去っていって、
宝くじ売り場の周辺にいるのは私だけになった。


どうすればいいかわからなくて
動けないでいると、
売り子さんと目があって
会釈されてしまったので
おそるおそる窓口に近寄る。
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