ライフ・フロム・ゼロ
「いらっしゃいませ。宝くじのご購入ですか?」
売り子さんはにこにことした
感じのいい人で少し安心する。
「えっと、この間ここでくじを
買ったんですけど、当選の確認
ってここでできますか?」
「はい、できますよ!
くじは今日持って来られましたか?」
バッグの中からチケットを取り出す。
「一枚ですけど…」
「あ、大丈夫ですよー」
「皆さんたくさん買っていかれるんですね」
「そうですね、けっこう束で買っていかれる
お客様も多いです。じゃあ、機械通しますね」
売り子さんが私から
受け取ったチケットを
手元の機械に入れる。
私はそれを他人ごとのように見ていた。
機械が動いたかすかな音。