ライフ・フロム・ゼロ
「こういった流れになります。
ご理解頂けましたか?」
「…はい、多分」
貰った書類をボーっとしたままで鞄にしまった。
売り子さんは興奮と不安の
入り混じったような表情でこちらを見ている。
「あの、ありがとうございました…」
「いえいえ、とんでもございません!」
「まさかこんなことになるとは…」
「あの」
「はい?」
「ご忠告というわけではないのですが…」
売り子さんはさらにボリュームを落として言った。
「このこと、高額当選されたことは、
あまり周囲に言わない方がいいかもしれません」
「え?」
「ご家族やごく近しい方へご報告されるだけなら
いいのですが、額が額ですし、なんていうか…
トラブルが起きてしまう可能性もありますので」
「トラブル?」