西野くんの偽カノジョ
そのまましばらく気が済むまで泣いて、教室に行って席につくと、
すごく心配そうな顔をしたひとみがあたしのもとに駆け寄ってきた。
「結衣、…どうしたの?西野くん結衣のこと探してたよ?」
なんで…
だって西野くんはつばきちゃんのことが好きなのに
なんであたしなんか探すの?
「心配かけてごめんね。
あたしにもよく分からないけど、西野くんのこと…もっと好きになっちゃったみたい…」
あたしはゆっくりひとみに胸の内を話した。
その間ひとみはきっと全然上手く伝えられなかったはずなのに、
黙って頷きながら真剣に聞いてくれたんだ。