西野くんの偽カノジョ
「西野くん!離して下さい!つばきちゃんが…」
西野くんが嘘でもみんなに言ってくれたことは嬉しいけど
つばきちゃんの顔が頭から離れない。
「うるせぇよ!つばき、つばきって!
結衣は俺のことだけ考えてればいいんだよ!」
西野くんは一度立ち止まってそう吐き捨てるとまた歩き出した。
そんなこと言われたって…
「つばきちゃん今にも泣きそうだったんですよ?
放っておけないです!」
あたしがそう言うと西野くんは急に力無さそうな声で…
「結衣は本当に俺のこと…
全然分かってない」
とそう一言吐くとあたしの腕を離して歩いて行った。