キミがいた夏~最後の約束~
私は自分の部屋の鏡の前で睨めっ子していた
思えば橘先輩と制服以外で会うのは初めてだ
私は少ない服を引っ張り出してあれこれと考えていた
待ち合わせまであと1時間…
アザが隠れるように上は長袖チュニック、下はレギンスを履くことにした
少しでもかわいく見えて欲しいから
アザを隠したくてもあえてズボンは選ばない
お母さんが亡くなった時に、いつか私が使うだろうとお父さんが置いてくれていたお母さんの化粧品
いつもはリップぬるぐらいだけど、今日は少し多目のメイクをする
髪はハーフアップにして後ろにとめた
お金のない私の精一杯のオシャレだ
っと言っても最近買った物は何一つない
お父さんは1年ちょっと前に失業してそれから呑み歩いてばかりいる
あれだけ呑み歩いていれば貯金は底をついているハズなのに
なぜか毎日お酒の臭いを漂わせていた
私はお父さんが失業する前に貰って貯めていたお小遣いや
時々お酒を呑んでいない、正気の時に差し出されるいくらかのお金を大事に使ってなんとか生活していた
お酒をやめてくれたら…
そして仕事をみつけてくれたら…
「あ~ダメダメ!今日はいい日なんだから」
私は鏡に写る自分に向かって軽く頬をパシッパシッっと叩きながら嫌な考えを吹き飛ばす
お父さんは明け方帰って来てまだ寝ているはず
だから、今のうちに出かけよう