キミがいた夏~最後の約束~




お父さんはギロリと私を睨み付けるけれど、ひどく酔っていたせいで視線が絡むことはなかった


フラフラしながら立ち上がると私の前を通り過ぎて玄関の方に向かう



私はそれを手の傷を抑えながら何も言わず見送った



ギィ━━━━━……‥

バタンッッッ!!




ドアが閉まった後


一筋の涙が頬を伝う


安堵?

悲しみ?

どれともつかない気持ちで、壁に預けていた背中をズルズルと引き下ろす




お父さん


お父さん


優しかったお父さん


どうして?


どうしてこんなことになってしまったのか


私は頬を伝う涙を止めることが出来ずに


いつまでもいつまでも泣き続けていた






< 140 / 378 >

この作品をシェア

pagetop