キミがいた夏~最後の約束~
そこまで話して息をつく
綾香は私の隣に座って私の背中に手を添えながら聞いている
都さんはトビーさんの腕を取って寄り添いながら座っていた
橘先輩は壁に背中を預けたまま下を向いているから
その表情は見えない
「それから…弟が生まれたの?」
トビーさんが遠慮がちに聞いてくる
「そう…」
私は掌にのっている鈴の感触を確かめるように強く握りしめた
「お母さんはね…本当は子供の出来にくい体だったみたい…」
美鈴ちゃん
「治療はしていたらしいけどまったく効果がなくて…」
美鈴ちゃん
あなたとは血の繋がりがなくても
私の大事な娘だよ
だって名前もほら
美保と美鈴、まるで私から一文字取ってつけたみたいでしょう?
「だから子供のいたお父さんはすごくいい相手だったみたい」
私はそこで少し笑った
「望んだときに出来なくて
諦めた途端に出来る…皮肉だよね…」
ねえ
このこが生まれたら
この柱にブランコを
つるしましょう?