キミがいた夏~最後の約束~




お母さんはリビングの真上を走る化粧垂木を指してそう言った


『え?ブランコ?』


『そうよぉ、いい考えでしょ?』



この家は前のお母さんとお父さんが購入した家だった


そこに新しいお母さんは嫌な顔ひとつしないで住んでくれる



『家の中にブランコなんて変なの~』


私はケラケラと笑っていた



それから間もなくして

たっちゃんが生まれた



けれど、その垂木にブランコがかけらることは最後までなかった




『お母さん』


『あ~美鈴ごめんね、今忙しいの』


『卓、こっちだよ~おいでぇ~』



たっちゃんが生まれてからお母さんが私に笑顔を向けてくれることが少なくなった気がする


もっとこっちを向いて欲しいのに


私のことをかまって欲しいのに


私はあれやこれやでお母さんの気を引こう頑張った



『美鈴!卓になんてことするの!!』


『え?ごはんあげようと思って…』


『余計なことしなくていいの!卓のことはお母さんがするから』



お手伝いをしようと思っても裏目に出る


話しかけても無視されることが多くなった


今思えば育児疲れもあったのかも知れない


でもその頃の私は


たっちゃんのせいで


たっちゃんが生まれたから


そんな嫉妬心が芽生え始めていた





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