キミがいた夏~最後の約束~



次の日の夕方


私は駅前に来ていた


「確か…この近くの喫茶店…」


お店を早めにあがらせてもらい、買い物に出掛けると行って出てきた


「あ…あった…」


裏通りにある、古びた喫茶店


そこが待ち合わせ場所だった


中に入るとまだ三池くんは来ていないようで
店員さんに通りの見える席に案内されると、連れが来るので注文は一緒にするとだけ伝えた



そして店員さんが去った後、外に咲いている花を見つけて、その花がよく見えるようにドアに背を向けて座ると小さくため息をついた



「はぁ…とりあえず、来ればベルが鳴るよね…」



私は三池くんを待っている間、そこから見える赤い花を見つめていた


人工的に植えられた訳ではなさそうだ


ひっそりと誰にも見えないように身を屈めて咲いている名前もわからない野性の花


それを見ながらまるで自分みたいだと思った


しばらくしても三池くんが来ないので
私は橘先輩から今朝来たメールを読み返そうと携帯電話を出していた


チリチリン…


橘先輩から貰ったストラップが目に入ると、若干の罪悪感で支配される



私はそれを振り払うようにメールを開いて画面を見つめた



《今から出発!3日間も会えないけどイイコで待っててね(^^)》



そのメールを目にして思わず笑顔になる


するとお店の年期の入った扉が開く音がした



ギィ━━━……‥ガタン━━━‥‥……

カランカラン━━━‥‥……








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