キミがいた夏~最後の約束~
いつも通り家に上がると橘先輩が笑顔で迎えてくれる
「お~いらっしゃい」
「おじゃまします」
この太陽のようなイタヅラッ子スマイル
忘れないように焼き付けておこう
「抜糸、うまくいった?」
「おーバッチリ!先生も俺の回復力にビックリしてた」
そういって足を少し動かして見せてくれる
この低くてよく通る声
よく覚えておこう
「そっか~よかった~」
「ん、これジュース」
「ありがとう…」
このジュースを渡してくれた大きい手も
あなたを形作る物全てをちゃんと心に焼き付けて
「しかし俺、こないだ美鈴が借りてきた極妻に意外とにはまっちゃって」
「え!?」
「マジでシリーズ全部借りてきて見ちゃった」
そう言ってズラリと並ぶDVDを見ながら二人で大爆笑する
こんなこともこれが最後になるんだね