キミがいた夏~最後の約束~




私はゆっくりと久美に近づき、その震える肩をそっと抱き締めた



「ごめんね…久美…気づいてあげられなくて…」



「違うよ…私が…バカだから
美鈴が謝ることじゃ…

こんなこと…ごめんねぇ…ごめんな…さい…ヒック…」



泣きながら何度も首を振り謝罪の言葉を口にする久美


そんな久美に綾香も近づいて来て
私が抱きついている上からさらに抱き締めた



「久美…私もごめんね…気付かなくて…はしゃいじゃって…」



綾香のクシャクシャになった顔が目にはいる…



きっと私も似たような顔をしているのだろう



そうして私たち3人は子供みたいに泣いた…



そして久美を見ながら私は
小さなころの自分を思い出していた…





『ごめんなさい、ごめんなさい』




なぜ謝っているの?




『う……ヒック…ヒック……』





なぜ泣いているの?










取り返しが付かない過ちを犯したの?











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