キミがいた夏~最後の約束~




それから私と綾香は教室に戻って授業を受けた



久美は一人にしてほしいと言ってどこかに行ってしまったけど



私たちは追いかけなかった



今はそっとしとく以外の方法も
私たちにどうにかしてあげる気力も残っていなかったから



ただ悲しくて

ひどく疲れていた



朝来た時よりも体が重い…



また引きずるように家路をたどる



私と綾香の間で久美の話しをすることはなかった


話すことを意識的に避けていたのかもしれない





「美鈴…公園よってもいい?」

綾香がふいに口を開いた


「公園?いいよ、何かあるの?」


その公園は海に行かなくなってから待ち合わせに使っている場所だった


公園と言ってもブランコ以外、目立った遊具もない

小さな小さな公園



「うん…ちょっとね」


何かを含んだような言い方に疑問を持ちつつも、それをぶつける気力さえ残っていなかった


ふーんっとだけ言ってそのまま歩いた





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