空を見上げる皇帝ペンギン。
弱いでしょ、と付け加えれば、困ったように苦笑いが返される。
その顔を見て、私って馬鹿だと思った。
私にとっては周防くんでも、周防くんにとっては私は“みんな”。
“みんな”の内、一人の私なんて、周防くんが知るはずも無くて、否定も肯定も出来るわけが無い。
「ごめんね。」
「ん?」
「ううん、帰るね、ばいばい。」
一緒に居るのが申し訳なくて、鞄を持って教室を出た。
背中にかかった声は、意外なもので、
「緋睡、って、」
肩越しに見た周防くんは苦笑いじゃなくて、微笑んでいて、
「綺麗な名前だな。」