空を見上げる皇帝ペンギン。

「本当に本当に、ありがとう。」


思えば、この人は、周防くんにしか吐けない嘘で私を救ってくれた。


「別に、そんなに感謝されることじゃないんだ。」


尊い、よりも愛しい。

周防くんは歩き出した。私もその少し後ろを歩くと、歩調を合わせてくれる。

隣を歩くこの人は、明日になったら知らない人になるんだろう。

沢山のフラッシュを浴びて、テレビにも映って、ルックスも良いから陸上だけじゃなくて、芸能事務所も放っておかないだろう。


「外部、もしもの話って好きか?」


恐ろしく脈絡の無い話に顔を見上げると、目が合った。



< 30 / 215 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop