空を見上げる皇帝ペンギン。
問い詰めようとする言葉が、喉につっかかって止まる。
もしかして、間違えた誕生日の言葉を言いにわざわざ来たの?
私の誕生日は来週。
「それは分かってる。」
助手席に座った私に続ける。
私には分からない。
「来週は忙しくなる。多分、当日に電話も出来ないと思うから、後になるよりも良いかなと思って。」
はい、と渡された小さめの細長い箱。私の目が悪くなければ、某有名ブランドの文字が箱に書かれている。
ゴクリと喉がなる。
私、去年の周防くんの誕生日に少し書いた手紙とクッキーを上げただけ。