空を見上げる皇帝ペンギン。

あげた瞬間を思い出して、両手を前に出して首を振る。


「それは貰えない。」


いつか、一緒に街を歩いた時に「あーゆーのっていくらするんだろうね?」って言ってしまった私が馬鹿だったの。

興味半分で吐いた言葉。

それから、友達の付き添いで行ってみたら馬鹿みたいに高い値段だった。


「好みじゃなかったら、つけなくても良いから。」

「好みとか、そーゆーことじゃなくて。」


箱を押し返す。

そんな高い物、貰えるわけが無い。

周防くんは将来有望。
有望というより、もう陸上でお金を貰えるぐらいなんだから。



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