空を見上げる皇帝ペンギン。

「うん、分かった。」

「…周防くん、お父さんみたいだよ。」


そう言うと笑った周防くん。ちょっと、失言だったかなぁ。


「嘘だよ、ちゃんと恋人だよ。」

「分かってるよ。ただ少し不安なんだ。」


離れてるって不便だな、とまた笑う周防くんはそんなに気にしてないみたいで。私も、そうだねぇと返した。

私は腕時計を付けないから、時間を車の時計を見る。午前10時。欠伸を噛み締める。朝早く出てきたのに、もうお昼近くだなんて、時間は意地悪だと思う。


「眠るか?それとも、どこか行こうか?」



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