空を見上げる皇帝ペンギン。
マンションの駐車場に車を停めて、やっぱりまた私のボストンバックを持ってくれた。そして、発された選択肢に『眠る』が入っていたのに驚く。
どれだけ推理力があるの!
答えない私に、周防くんが振り向く。
「んーとね…。」
考えるけど、行きたい所とかは決めていなかった。大体において、周防くんに会うのが一番の目的だから、それをクリアした今したいこと、というものが思い浮かばない。
「部屋に行って考えようか。緋睡、三階まで歩けるか?」
「良いよー、エレベーター故障中?」
「遅いんだ、人が上るより。」