ねぇ、そばにいて。
「久しぶりね銀ちゃん」
「"銀ちゃん"もう上がりー?」
ソファーの前に立つ銀ちゃんは自分の愛称が気に入らないらしく、不服そうな様子。
「朔…、お前最近俺のことナメてんな?」
銀ちゃんが朔に眉を寄せる。
「わわっ!銀ちゃん遂に裏の顔出しちゃったよ!葉月ちん助けてっ!」
さらに強く私の腕にしがみつく朔を銀ちゃんが引き剥がす。
「ふふ」
───……フワッ
「……あら、銀ちゃん
なんだか今日いい匂いじゃない?」
甘いローズのような香り。
ほのかに感じた銀ちゃんのいつもと違う香りに、私はくんくんと鼻を寄せる。
「ほんとだー」と朔も近づくと、
銀ちゃんは明らかに顔をしかめた。
「…匂うか?」
"さっきの客の香水だ"
「「なるほど。」」
積極的な女性だったのね。
「あ、あのグラマラスな人かぁ!
北条さん…だっけ、
銀ちゃんにベタ惚れなんだ〜?」
ニヤニヤと嬉しそうな朔を
銀ちゃんはまた睨みつける。