純情☆デビル
悲しいやら悔しいやらで、涙が出そうになる。


手を膝の上でギュッと握りしめた。


―――嫌だ……泣きたくない。


こんな天使なのに悪魔みたいな男の前で、泣いてたまるか!!


さっき粋羅君との事で、やっぱりいい人なんだーーと思い、ゲームでペアになった時も喜んだ。


でもやっぱりやっぱり、関波君は冷淡ヤローだーーー!


「……ハァ」


情けなくって、重いため息をついた。


その時………




「ごめんな」




―――優しい声で、関波君が私の耳元で囁いた。


「……っ!?」


全身が驚きで跳ね上がる。
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