純情☆デビル
粋羅が片手で顔を覆って、呻く様に言った。


豊平の様子は明らかにおかしくて、誰がどう見てもウソをついていると分かった。


久都……豊平に何したんだ?


「オレ………豊平の事守れなかったのかよ」


両手を握りしめ、グッと唇を噛みしめる。


好きな女に何もしてやれない自分が情けなかった。


「チクショー………オレは一体何をやって来たんだ……」


「まだ間に合うと思うけど?」


粋羅の手が、俯いていたオレの頭に優しく置かれた。


「早速後悔なんてお前らしくねぇし、まだ希望はあっぞ」


「……勝ちに行くよ」
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