いつか会えるね
「良かったよね~。みんな受かってさぁ」

「だよねー。誰かが落ちてたら、盛りあがらなかったよね」

「みんなどうだったんだろうね?」

涼子が、ちょっと得意気に答えた。

「あぁ。私、昼に大学行ってきたよ。新井さんと工藤さんダメだったらしいよー」

一同から「あぁー」という声が上がる。

やっぱりね。の、あぁだ。

涼子が続けた。

「あとね…、なんと金澤さんがダメだったんだって…」

今度は、本当にびっくりした、えぇーっ!という声が上がった。

私もびっくりして言った。

「まじで?」

だって、彼女は大学病院に就職が決まっていた、真面目な子だった。

涼子が答えた。

「まさかだよね~」

みんなが、神妙な顔で話し始めた。

「試験って、わかんないよね…」

「大学病院って、助手で入れてくれるんだっけ」

「さぁ?だいじょぶじゃないの?」

「でも、恥ずかしくない?他の子は注射とかしてるのに、自分は出来ないんだよ~」

「だよねー。しかも、金澤さんって、けっこう偉そうだったじゃん。辛いんじゃなぁーい?」

一気に笑いがもれる。
だって、みんな神妙な顔なんて、フリだもん。

人の不幸が楽しいのは、人間のサガだ。


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