いつか会えるね
寮の下で電話をかけた。

『着いたよー』と言うと、ヒロくんが、『今いく!』と短く答えて、電話を切った。

おうちに入れてくれないんだ。

なんか寂しい。

階段を降りてくる姿が見えた。

ジーンズにTシャツ姿だ。

近付いてくる。

「お待たせっ。」

「ううん。」

車を発進させる。

「景子の車ちっちゃくて、かわいいなぁ。」

私の車は赤いワゴンR。

「馬鹿にしてんの?」

「してないよ~。」

ヒロくんがケタケタ笑う。

「軽はいんだからね~!」

ちょっと、ほっぺたをふくらませると、ヒロくんが、ますます笑った。

「燃費もいいし、税金だって安いし、小回りきくんだから!」

「はいはい。」

終わるかと思ったら、ヒロくんが続けた。

「でもさぁー、軽はハンドル切れすぎて怖いよな!こないだ、バックした時、いきなり曲がって、ぶつかるかと思ったもん!」

「そんなのハンドル切りすぎる方が悪いんじゃん!」


また、私が反論して、しばらく軽自動車について、話してた。

でも、頭の片隅に疑問がへばりついた。

どこで軽自動車を運転したの…?



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