わかってた。



「は?俺の点数教えたじゃん。」

「無理なんだって!本気で!!」


必死になって俺を説得しようとしている美海。

でも俺教えたんだし、別によくねぇか!?


「んだよ!バカミカン!!」


「うっさい!…てかもうこの際どーでもいい!!」


どーでもいいんかい。


ふと視線に気付くと何やらつまらなそうな顔で、小倉が俺を見ていた。


これは話し掛けた方がいいのか?


でもあれ以来小倉と話してないし、正直話し掛けづらい。


………………。

目が合って多分3秒くらい経った。
俺にはその3秒がとても長く感じた。


そして意を決して…

「…ぉ、お前は?」

「…へ?」

ビクッとして普通の顔に戻る小倉。

どうやら俺を見てたんじゃなくて、ただボーッとしてただけらしい。

俺、恥ずかしくね!?


「えっと…舞華?」


そういうと自分の鼻に人差し指を差した

自分の事を舞華と呼ぶらしい。
…初耳だな、うん。


「おう。」


つか小倉ってどのくらいのレベルなんだ?

まぁクラスメートと親睦を深めるってことで、知っても損はしないよな。


「んとねぇ…」

紙を取り出して確認していた。

「うん、352点だね〜 そっちは?」


…さっきの美海とのやり取り、本当に見てなかったんだな、と改めて確信する。

「俺は267点。つか300点とかすげーじゃん!」

外見的にはバカそうに見えるのに、意外な点数にちょっとビックリ。


(もっと低いのかと思ってた)


人は見掛けによらないってーのは、こういう事か。



「ふーん。そーなんだ!じゃ、柳下に勝ったねー♪」


……本当、バカなのに意外だ。


「うわ、うぜ」

「うざいとか言わないのー。」


ポン、と俺の頭を軽く叩く。



今日は少しだけ…ちょっとは友達になれる気がした。



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