わかってた。
───────…
「じゃ、席移動しろー」
担任の声を合図に、我先にとみんなが机を素早く動かす。
俺も窓際の席から、廊下側の席になるから急いで動いた。
「…お前、そこ?」
「あ、うん。」
と顔色1つ変えずに、隣の席になった川島は言った。
確かコイツは“アイツ”と仲が良かったような──…
「え!?依子(よりこ)ちゃん、前なの!!?」
「え、舞華こそ後ろ?」
「そーだよっ!うわぁー…よかったぁ!嬉しー」
ニコニコと無邪気に笑う。
初めて話した時とは違う、自然な笑顔だった。
「……え、何?」
「………は?」
「いや…、なんか目が合ったから。ま、1ヶ月よろしくね〜」