新撰組のヒミツ 壱
ぼんやりとして、一体どうしたのか。光の顔をまじまじと見つめていたようだが、何か考え事でもしていたのだろうか。


疑問を抱いていると、その向けられた視線は、やがて外され、沖田は地面を食い入るように見つめたのだ。


そんな沖田が少し心配になった光は、俯き気味の彼の顔をそっとのぞき込んだ。


「――沖田さん?」


「……いえ。思い違いでした」


頭を振り、笑いながら何かを否定する沖田は、僅かな悲しさを顔に滲ませているように見えた。


――何故そんな表情(かお)を?
悲哀か、苦悶か……?


当たり前だが、光と沖田は初対面だ。記憶力に自信がある光は、絶対に会ったことはない、と断言することが出来る。


もっとよく、その表情を確認しようと目を凝らすが、まるで何事も無かったかのように、元の綺麗な顔に戻ってしまった。


「さあ、井岡さん。行きましょう」


「……はい」

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