魔界動乱期
「魔力を放って意識を向けさせる気だな?来るなロイド!」

ロイドの考えを看破したギガは、その魔力の塊よりも、しっかりとロイドを見据える。

そして、その魔力が予想通り地面に落ちたとき。
激しい火柱がギガの目の前に立ち上った。見えない魔力は、直前まで温度を抑えた、透明な炎だったのだ。

予想だにしなかった出来事に、ほんのコンマ数秒だけ、ビクッと体を硬直させるギガ。

「しまっ……!」

その瞬きほどの一瞬を、ロイドは逃さなかった。
氷鏡の矢がギガを貫き、雷化したままのギガを閉じ込めた。
さっきと違い、体内という雷を発生させる空間もない。

しばらくの静寂が辺りを覆う。

そしてロイドは、一瞬、悲しそうな表情を浮かべた。
そしてギガに背を向け、口を開く。

「ギガの支配は、今日で終わりだ!!」

その瞬間、リュウが涙を流し、膝をついた。

「ロイド様……!」

リュウは今まで、他国を自分の管理下に置く事により、生きることを強要した。
道を閉ざしてしまう死ではなく、どんなに細い道でも生き抜いて欲しかった。
やがてこんなにも大きく、明るい道が開ける時が来る事を信じて。
その想いが、今報われた。
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