ブラッディマリー
 


「……万里亜?」



 和が小さく呼ぶと、万里亜はぼんやりと瞼を押し上げる。



「悪い、起こしたか?」



 和の声に反応して、万里亜は彼に瞳を向けた。


 と、その目が見開かれ、万里亜はがばっと身体を起こす。



「な、和! あたし……!!」



 ふらつく万里亜の肩を支えてやると、和は彼女の顔を覗き込んだ。



「大丈夫か?」



 こめかみを軽く押さえ、万里亜は無理矢理何度も瞬きをする。


 その眼球が上下にぐるりと動くのが見えて、和は自分の胸に万里亜の頭を抱き寄せた。



「いきなり起き上がるから、眩暈起こしてるんだよ。しばらく、じっとしてろ」


「や……」


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