ブラッディマリー
万里亜は自分と和の間に腕を押し入れると、距離を作ろうとして突っ張る。
万里亜の性格を把握していた和は、その細く白い腕をもう片方の手で拘束してやると、彼女を更に強く抱き寄せた。
「離して! あたし、もうこれ以上和に迷惑かけられない」
「何回も血吸った後で、何言ってんだ」
「だってあたし、自制出来なかった! ……お、女の子来たらいつもより血が欲しくなるって、判ってたのに……我慢しなきゃって、言い聞かせてたのに……」
「ハラが鳴る音止められる人間だっていねえよ。とりあえず落ち着け」
万里亜の頭を抱き寄せた指先に、熱いものが流れ落ちる感触がして、和は彼女の顔を見る。震えながら泣き出していた。
「……おい、泣くなよ」
万里亜は和の腕の中で小さくかぶりを振ると、そのまましゃくり上げる。
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