ブラッディマリー
「西成、あの女の子の手当てをしてやれ。尚美さんは俺が部屋に放り込んで来る」
「し、しかし……はい」
さっき尚美を取り押さえようとしていた果敢な使用人の女は、逃げられた時足でもくじいたのか、尻餅をついたまま立てなくなっている。
「な、和」
階段に足を進めようとする和の手首を、思わず万里亜は掴んで引き止めた。
振り返った和は、肩をすくめる。
「……俺のせいでヒスってるっぽいから、止めて来る」
「でも……」
不安に瞳を揺らす万里亜に、和は隙をついて彼女の胸を一瞬だけ軽く掴んだ。
「っ!!」
「早まった真似はしねえよ。西成のところにいろ。一番安心だから」
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