ブラッディマリー
「俊……?」
敬吾は和の言葉に一瞬眉をひそめた。
が、何か思い当たることがあったのか、その表情を緩めると、くすくすと小さく笑う。
「……ああ、今はそう名乗っているのか」
「え?」
「永久に等しい時間を生きる彼らが自由に生きる為には、数多の名が必要だということだ。……25年前、儂の前に現れた時は≪皓(ひかる)≫と名乗っていた」
その言葉を聞いて、和はごくり……と息を飲んだ。
俊輔が本当に永い時間生きているのだということを実感する。
……彼が自分の父親だなんて、それだけはちっともしっくり来ないけれど。
「会っていたのなら、気付かなかったのか。昔儂が会った皓と今のお前は──よく似ている」
和はふと万里亜を振り返った。敬吾の言葉が本当なのか、確認する為に。目が合った万里亜ははっと息を飲み、和の顔を改めてよく見た。
が、彼女は眉尻を下げ、かぶりを振る。
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