ブラッディマリー
 


 和がぼんやりとそう思った瞬間、腰にあった強い違和感が一気に熱の塊に変貌する。





 敬吾が構えた銃の先から、火花が吹くのが見えた。





 かすみ出した瞳のまま振り返ると、そこには咄嗟に弾丸を避けた万里亜の笑顔。



 その手に真っ赤に染まったナイフが握られているのを見ても、何が起きているのか和には判らなかった。









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