ブラッディマリー
「俺が妙な産ませ方したから、敬吾はお前がいつヴァンパイアになるかと、気が気じゃなかったらしい。目覚めた時に、近くにいる実の母親を襲ってしまったら……そう考えたんだろう」
「……待てよ、それって」
親父は判ってて、俺とは真っ赤な他人である尚美さんを家に置きっぱなしにしてたのか。
初めから尚美は、いつ目覚めるかも判らない魔物への人柱。
あの親父ならやりかねない、と思った自分に眩暈がした。
俊輔は和の思考回路を読んだかのように、息をつく。
「……まあ、あの尚美って女に対して愛情がないわけではないんだろうけど。今、改めてあの家でまともな夫婦やってるしな」
「尚美さんはたくましいし、今幸せならもうそれでいいよ……けど、じゃあ、母さんが毎日泣いてたのは俺のせい……ってか、やっぱりあんたのせいだろうが!」
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