アイ
少女は僕の前に座ると(どうやら僕は机の上に置かれているらしい)、僕のことを無遠慮に観察し始めた。

彼女が指で僕を突こうとしてくるたび、条件反射で右目を閉じてしまう。

転がされると僕はぐるぐると回る。

酔う。

気持ち悪い。

やめてくれ。

傷でもついたらどうしてくれるんだ。


当然声は届かない。
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