何時も君が私を見てる。
「なお、綺麗」
うっとりとなおの頬を左手で包み込み、夕明は暫しの幸せに浸った。
寝ている者、即ち意識がなく無防備である女性に対しそれは紳士としてあるまじき行為だった。
口の中を指先で弄び、夕明は満足に笑みを漏らすと離した指を今度は自分の口の前に持ってきた。
ペロリと舌で味わう姿は妖艶にして異端であったが、彼の知るところではない。
「なお。美味しい」
彼女が起きていれば罵声のひとつやふたつは飛んで来ただろうが、時が悪い。眠る彼女は物を語れない。
それをいいことに彼は彼女の上に馬乗りになった。