何時も君が私を見てる。

白く細い首に両手を這わせ、うっとりとした表情を浮かべた。


「なお。」


「ゆうあ、けさん」

目を覚ました彼女は、首筋に冷たい彼の手を感じながら微笑んだ。


「よかった。怖い、ゆめ。みたんです」


寝ぼけているのか、なおはたどたどしい言葉で言う。


「どんな?」


なおの首を優しく掴み、夕明は穏やかに笑う。


「わたしが、わたしに殺される、ゆ、め」


「駄目だよ。なおを殺していいのは俺だけだ。俺以外の『害虫』(奴)がなおの夢に出るなんて許せないな。俺なおのこと殺しちゃうかも」


心なしか掴まれた首が圧迫される。


『夢』にさえ嫉妬した彼になおは笑った。


「貴方のいない世界なら、私はいりません」


やはり寝ぼけているのか。普段の彼女ならばこんなことは言わない。だってこの台詞はまるで、


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