十五の詩



 自分が空や星の一部になったかのような錯覚さえ起こる。上空を流れてゆく涼しい風──。

「──綺麗だな」

 ヴィンセントはいつしかそう呟いていた。本当に綺麗だ。

 地上からでは決して見られないであろう、大空間。ユニスは心地よさそうにほほえんだ。

 精霊に愛でられるのも道理だ。ただあるがままの無垢に、入り組んでゆくばかりの人間の思考や感情が遠ざかりこそすれど、たどり着けるものか──。

 星が降る。

 ただ幾つもの煌めきが、無償のそれを放って──。



     *



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