十五の詩
「ユニス様が本物のユニス・セレクヴィーネであるかを見分けるためかと。アレクメスにいるユニス様がノール・メイエではないかと疑う者がいる話を耳にします」
「何だと?フォーヌの薬でそんなことがわかるのか?」
「フォーヌの薬というよりは、私の言っている魔導士の魔力から精製された薬と言った方が正しいかもしれません。これは今の段階では推論なので、その魔導士の薬なのかは断定出来ませんが。私が先の大戦でフォーヌ勢のある魔導士と苦戦したのは、その魔導士の気の波動。私には毒気となる気の相手でした。アレクメスにいるユニス様がもしその魔導士の薬に弱ければ、ノール・メイエかもしれないという結論が導き出される」
「ふむ…。王子は特にその薬について毒気を感じたということは言ってなかったが」
「それならユニス様はその魔導士の気に強いのだと思います。しかし、これでユニス様が本物であるという線が濃厚だということが、襲った者たちに知られてしまったということなのですが」
「大丈夫なのか?」
「しばらくの間は。少なくとも薬を使った戦法は取れないでしょう。ユニス様がその魔導士の薬にも強いともなれば、そう簡単にユニス様と互角に対峙出来そうな魔導士を探せるわけではない」
ユニスは若冠十五歳にしてアレクメス魔法学界の首座についている。
端的に言えば、アレクメスの魔導士でユニスと一対一で互角に対峙出来る者はいないということなのだ。
アレクメスにおいてもそうなのであれば、他国においてもほぼ同じように見ることができる。
「しかしそれほど魔力が高いともなれば、その者の薬を欲しがる者は多くいるだろう。ユニス様は一国の王子ではなかったとしても狙われる要素は多くある」