イケメン御曹司の秘密の誘惑
自分の中で、守り通して来た何かが、少しずつ、崩れていく。
比奈子の仕掛けた複雑な網にかかった獲物のようだ。
自分で自分が分からなくなっていく。
「いや、何でもない。
……ありがとう。
開発の部員には、婚約披露会の招待状を送るから。
比奈子も…来てくれ」
「……ええ。楽しみだわ」
――――
彼がシャワーを浴びている間、一人部屋に取り残されジッとしていると、じわじわと空虚感が襲ってくる。
「…う…」
堪えていた涙が、一気に溢れてくる。