イケメン御曹司の秘密の誘惑
仕事を早めに切り上げ、尾畑さんと連れ立って会社の廊下を歩く。
…潤とはこうして、肩を並べて歩いた事すらない。
後継者である彼との関係はおのずと秘密めいたものになった。
ましてや、気持ちのない女と噂になんてなりたくはないだろう。
抜け目のない彼の事だから、全てに慎重さを欠かさなかったに違いない。
彼の中での自分の地位が、低く、取るに足らないものだったのだと改めて実感する。
…情けない。
今更こんな事を考えるなんて。
もう……あの、愛しかった匂いに包まれる事もないというのに。