美しいあの人
ゴールデン街は近くて遠い。
店の外で待っていてくれた松井さんと一緒に、
目当てのバーへと歩いて行く。
靖国通りをずーっと花園神社へ向かって歩いて行って、ミスタードーナツの前でだいたい赤信号に引っかかる。
あたしはいつもこの信号で気持ちが切り替わる。ナンバースリーキャバクラ嬢のエリから、ただのエリに戻れる瞬間をつかめるような気がしている。
毎日を過ごしているきらめくゴミ溜め歌舞伎町。
時々松井さんと行く静かで薄暗いゴールデン街。
どちらも嫌いじゃないけれど全然違う町。
町の雰囲気が違うのは、そこにいる人間の種類が違うから。
どうでもいい話をしながら歩いているうちに、
あたしはただのエリになり、
松井さんはいつもの松井さんで、
ふたりは道の隙間を縫うように歩いて行って、
同じような細長い建物の中からひとつを選んで、
ちょっと傾きかけた階段を上って目的地である「せんばづる」へ到着した。
「せんばづる」では店主の千鶴さんが待っている。
店の外で待っていてくれた松井さんと一緒に、
目当てのバーへと歩いて行く。
靖国通りをずーっと花園神社へ向かって歩いて行って、ミスタードーナツの前でだいたい赤信号に引っかかる。
あたしはいつもこの信号で気持ちが切り替わる。ナンバースリーキャバクラ嬢のエリから、ただのエリに戻れる瞬間をつかめるような気がしている。
毎日を過ごしているきらめくゴミ溜め歌舞伎町。
時々松井さんと行く静かで薄暗いゴールデン街。
どちらも嫌いじゃないけれど全然違う町。
町の雰囲気が違うのは、そこにいる人間の種類が違うから。
どうでもいい話をしながら歩いているうちに、
あたしはただのエリになり、
松井さんはいつもの松井さんで、
ふたりは道の隙間を縫うように歩いて行って、
同じような細長い建物の中からひとつを選んで、
ちょっと傾きかけた階段を上って目的地である「せんばづる」へ到着した。
「せんばづる」では店主の千鶴さんが待っている。