俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
「はあ……これが年頃の乙女の姿かね」

「それ言わない」

「あら。ソフト部さんたち、お疲れ」

先に占領していたテニス部が、ソフト部と入れ替わりに水飲み場を離れた。


「……眩しい……」


テニス部は正しい14歳のお手本みたいに、キラキラ輝いていた。


「あれー? みんな水飲まねーの? じゃ、おっ先!」


蒼は部員たちの凹み具合なんて気にせずに、おいしそうにゴキュゴキュと喉を鳴らす。


「うんめえええ!!」

「…………」


勢いよく顔を洗うと、ショートカットの毛先から雫が垂れた。

真夏の光を受け、キラキラと輝いていた。
< 10 / 353 >

この作品をシェア

pagetop