俺様天使とのキスまであと指輪一個分。


家の向かいの3軒先は、近藤啓太の家だ。


(別に覗こうとしてるわけじゃないからなっ)


自分に言い訳しながら啓太の家を観察していると、早朝にも関わらず玄関のドアがガチャリと開いた。


(けーくん!!!)


蒼は慌ててしゃがみこんで、カーテンの隙間から啓太を確認した。


彼はいつものジャージ姿で、やはりいつものリュックを背負って現れた。

そして軽くジョギングする速さでそのまま路地を曲がり、あっという間に蒼から見えなくなった。

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