俺様天使とのキスまであと指輪一個分。
そしてあの小さな少女も……

夢の中で何度も呼んだとしても、会うことはできないのだ。



「やっぱり間違ってた…アレオン王のやっていることは…俺が…止めないと」


力強く握り締めた宝石箱の宝石の粒が、悲しげにきらりと光った。


「俺の生命にかけても…王を…止めてみせる」


覚悟して立ち上がるフレンの頬にほんのり光る涙の筋があった。






村は、怖いほど静けさに包まれていた。


歩き続けた足の痛みと疲労で、最初に蒼が、その次に美津子がアンと寝息を重ねた。



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