ママが女に戻る瞬間(とき)
店の前には30人ほどの列が出来ていた。

「永田さん、予約しといたから並ばなくていいよ」

「本当!ありがとう」

「行列だろうと思ってね」

「うれしいなぁ」

列を通り越して予約席へと通された。

さっきからあの長崎恵美という女が気になった。

自分の夫に限って今までモテルと思わなかった。

しかし、会社に行っている夫のほうが

自分よりも明らかに若い子たちにかこまれているだろう。

焦る。

席に腰かけたが気が気でない。

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