メロンパンにさようなら

放課後、バイトがある愛は、

「今日も、陸上部見に行くの?」

と、少し遠慮がちに聞いてきた。


「ん?今日は、ちゃんと天文部に顔出すよ」

“陸上部”って言葉にビクッと体が反応したけれど、平静を装って答えた。


「なんでっ!?」

「なんでって、私、天文部だし?」

「いや、そうじゃなくてね」

「バイト頑張ってね。じゃあ、また明日」

愛が何か言いそうなのに、遮るように言葉を続けて、手をヒラヒラさせて愛にバイバイして逃げるように廊下へと出ると、


「ちょっとっ、佳奈っ!」

と、愛が追いかけてきた。


「ごめん、愛。……落ち着いたら話すから」


愛は、なんとなく分かってたんだね。

小室先輩が、どんなことを言ったのか、大体予想ついてたんだね。



「落ち着かなくても吐き出したらいいんだからね。分かった?」


宥めるように、そう言うと

「じゃ、もうバイト行くね。いつでも言って来なよ。じゃ、また明日」


笑ってそう言って、帰って行った。


「ありがと。愛。ごめんね」

小さくなる彼女の背中を見ながら呟いた。
< 217 / 217 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

コンパス〜いつもそばで〜

総文字数/64,020

青春・友情184ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
自分に自信を失くして 視界を奪われて 目の前真っ暗になっても それでも 君が傍にいて 背中を押してくれるなら 僕は迷わず進んでいける 君は希望のコンパス いつもそばで見守っていて…
お握りに愛を込めて

総文字数/22,042

恋愛(ラブコメ)65ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
私、菜子 平凡な花の女子高生 何事もないことが平和だと思う毎日の中 突然現れた丸坊主青年 『あなたに惚れましたっ』 『はいぃ?!』 初対面なのに、なんなの!? あり得ないでしょ!?
ファンファーレに想いを乗せて

総文字数/61,652

青春・友情224ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
この想い 届け! アルプススタンドから ファンファーレに乗せて  近すぎて 伝えられなかったこの想い  今、あなたに伝えます

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop