メロンパンにさようなら

「いいの?」

私の気持ちなんてお見通しだというように、聞いてくる愛に、

「何が?」

ととぼけてみたけれど、愛は、

「別に、いいならいいんだけどね」

なんて、分かってるでしょ。というように返事をすると、

「さっ、兄貴が待ってるし、帰るよ」


そう言って歩き出した。



いいわけ、ない。
今、帰ったら、悶々としてしまうのが、目に見えてる。

そう思ったら、


「愛、ちょっとだけ待っててもらえないかな?」

そう口から言葉が零れていた。


愛は、そう言うだろうと思った。って言いながら笑うと、

「車の中で待ってるから行っておいで」

ぽんっと背中を押して、頑張れって言って見送ってくれた。



今行ったら、邪魔になるかもしれない。
もし、何か考え事をしていたら、ただの迷惑なだけだって分かってる。


だけど、会いたいんだ。


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