ブロってますか？

「へぇ～岡村って言うんだ！びっくりだね、僕と同じ名前だね。」


「そう！それでびっくりしちゃった！一瞬健ﾁｬﾝかと思った！」


「その人が僕だったらどうする？」

健一は内心ドキドキしながら理恵に聞く。


「すっごく嬉しい！って、あっ、そのそう言う意味じゃなくて、…ごめんね、とんちんかんな返事して。」


「ふ～ん、良い人なんだね。イケメンかい？」


「う～ん、イケメンって訳じゃないけど何か安心オーラが出てる感じで、とても気分が落ち着くの。」


健一は複雑な気分になった。
別にイケメンを否定されたからではない。会社の中にいる岡村に嫉妬にも似た感情を覚える。


『馬鹿だな。何自分で、自分に嫉妬してるんだろう。正体明かせばいいんだよな。でもまだその時期じゃないし…』



「もしもし、健ﾁｬﾝどうしたの、黙って、もしかして焼き餅焼いた？」


「ば～か。誰が焼くかよ。その岡村って独身？」


「ばかって言う人が馬鹿なんだよーだ！よく知らないの。本社の人だから。」


笑いながら理恵が答える。


「そっか。だよな。仕事は覚えた？」


健一は話題を変えてとにかく頭の中のもう１人の岡村を振り払おうとした。